大好きなアパレル販売の仕事も子育ても どちらも諦めない新しいはたらき方がここにあります
マナレアでは、アパレル販売で働いてきた子育てママたちの、モヤモヤのインタビューをしてきました。販売のお仕事は、土日祝日勤務や長時間労働で、出産・子育てを機に、仕事を続けるか、離職するか、選択を迫られることが多いと思います。
できれば仕事を続けたいと思っているのに、「はたらく」選択肢が少ないために、好きな販売の仕事を諦めることになる、そんな子育てをする女性たちの葛藤を聴いてきました。
しかし、実は今、「働く時間や場所を自分で決める」という新しくて自分らしい販売の働き方があるのをご存知でしょうか?
ほんのちょっとの空いた2~3時間だけ働きたいなという人(タレント)と、
人手が足りない時間だけ働き手が欲しいショップ(=ストア)をマッチングさせる新しいサービスです。
2018年にこのサービスを立ち上げた「株式会社メッシュウェル」の代表窪田光平さんと広報の伊藤ゆりさんにお話を伺いました。
今まで無かった。でもこんな風に働けたらいいな、と多くの人が思っていた働き方を提案してくれています。
代表 窪田光平さん (真ん中)
広報 伊藤ゆりさん(左から二番目)
ーメッシュウェルとはどういったサービスですか?
窪田さん:
「ズバリ言うと、ファッション業界版のUberです。
空いた時間に働きたい人と、忙しい時間だけ人手を増やしたい企業様の両者をマッチングするサービスです。
登録の仕方は簡単でいつどれだけ、いくらで、どこで働きたいかの3つの条件を自分で決めて、お店からオファーが届いて受理すればマッチング成立になります。
あとは当日にお店に行って、接客販売をするという全て単発のお仕事です。」
ーいままでのアパレル業界に無かった、でもずっと欲しかったような斬新なサービスですが、立ち上げたきっかけを教えてください。
窪田さん:
「大きくは二つあります。
一つは私のバックグラウンドです。
私の両親はアパレル小売業の経営をしていたので、小さい頃からアパレルにどっぷりつかった特殊な環境で育ちました。販売員は女性が9割で、結婚や出産でキャリアを築くのに悩む女性がほとんどで、そういう光景をずっと見てきました。
もう一つは、MBAの学位を取得するために留学していた時に見ていた景色です。
アメリカは多民族国家で、女性のダイバーシティを推進する国ですので、どんどん社会に出ていく女性たちの姿を見てきました。
そんな中、大学院の授業で、アメリカの人口は3億人いて、そのうちの1割に当たる3000万人程度はミレニアル世代だと学びました。さらにその3000人のうちの約半数は、企業に雇用されていない「フリーランス」という働き方を選択していると知りました。
ある程度の年齢になると家族ができて、社会人としての地位や責任がついてくると同時に子育てだったり、親の介護が始まったり、様々な理由が複雑化して、結局、家族と仕事の両立が難しくなる。だから一つの企業で長く働くのではなく、いくつかの仕事をかけもちして働く、という選択をしていることが分かりました。
日本のアパレル業界に重ねたら、才能もスキルも経験もある女性が、本当は喜ばしいはずの人生のライフイベントによっての変化に合わせてキャリアチェンジを強引にさせられる世界って変だなと思いました。
お子様がぐずって遅刻しちゃうとか、幼稚園の預ける時間が変わるとか、そういう突発的な状況に働く側も会社側も困っているなら、働ける時間だけ働けるようにしたらいいんじゃないか、という発想からなんです。」
ー実際に働いたことがない初めてのお店で接客販売をするというのは少しハードルが高い気がしますが、実際に登録されている方はどのような働き方をするのでしょうか?
窪田さん:
「まずは働きたいエリアなどで絞ってストア(ショップ)を探します。
商品情報や当日の流れなどプロフィールが掲載されていているので、事前準備は問題ないと思います。今は利用している方も98%はファッション販売経験者ですので、基本的にはファッションブランドを調べれば大体の印象は分かるという方が多いですね。
とはいえ、初めていくお店で本当に働けるの?と思われる方も多いかと思いますが、
商品情報については事前に覚えて頂かなくてもいいですよ、とお伝えしています。
今はお客様もECサイトで商品を比較してから足を運ばれる方が多いですので、お客様には積極的にお声かけをして、今日はどんなものを探しているのか、目的は何なのか、というアプローチをしていただき、ニーズが出てきたらお店の中で一緒に探す、というシンプルな流れです。
情報をお伝えする接客ではなく、会話の中から一緒に探してあげることで購入までつながるご案内をしてもらっています。」
ーなるほど、初めていくお店でも困らない工夫がされていて安心ですね。
販売ノルマがあるのではなく、お客様に寄り添う提案をすることを大事にしているのも、これから利用する方にとって安心ポイントだと感じました。
お客様に寄り添って、提案するというスキル。
世の中にまだ名前がついていないそのスキルこそが、ストア側としても一番欲しい部分なのではないかと思いますが、マナレアの読者には、子育てによってアパレルのお仕事を離職した方もいらっしゃいます。
子育てママでも、利用している方はいらっしゃるのでしょうか?
また、子育て経験があったからこそ、活躍できたこんな寄り添いができたというエピソードはありますか?
伊藤さん:
「現在登録している働き手は約2500名で、99%が女性ですが、
そのうちの約2割が子育て経験者や現在も子育て中の方なんです。
私自身もメッシュウェルに登録して、あるベビー用品のお店とマッチングして働いていたときの話です。
その店舗にはたまたま育児経験者がいなかったので、実体験値からお客様にアドバイスをすることがしづらかったという面がありました。
例えば出産祝いのギフトでよだれかけを探しに来られたお客様がいた時に、
よだれかけって実際はお子様によっても使う使わないがありますよね。
よだれがあまり出ない子もいるし。でも吐きこぼしには使えますよ、とか。
そのお客様に、よだれかけのギフトは本当に必要なのか?こちらの商品の方が喜ばれるかも、と自分の子育て経験値を含めてアドバイスをして、信頼されて度が上がる購入につながったことがありました。
あとからお店の方々に、どうやって販売したんですか?と聞かれましたよ。
女性はお子様が小さいうちは手がかかりますよね。でも保育園に預けている時間だけ、できたら少し仕事がしたいなと思う時に活用していただけたら、うれしいですね。」
まさに子育て経験が活かせた販売事例ですね。
働き手の方にも、お店の方にも、お客様にとってもWINWINの満足いただける結果になったとか。
ー最後にメッシュウェルとして大事にしていること、展望を教えてください
窪田さん:
「お客様の購入体験をより良くする。
もっとパーソナルになったり、豊かになったり、ハッピーになること。
その先に、多様な人々が個性を使って、自分だけではなくもう一人、もう二人を笑顔にできる社会をつくりたいということです。
私たちは、経験やスキル、知識、働く時間もその人の個性と考えています。
またリアル店舗に限らず、ECでのオンライン接客や、個人とマッチングしてお買い物に同行するようなサービス、インテリアの商材など、働く場所を広げる活動をしていきたいです。
お客様からは
「あなたがいたから 良い買い物ができたわ」
子どもからは
「ママ早く帰ってきてくれてありがとう」
と言ってもらえる人を増やしていきたいですね。」
伊藤さん:
「女性はライフスタイルの変化や子どもの成長によって、どう仕事と関わるかを考えた時に、将来的にキャリアを分断させないためにメッシュウェルで働いてもらう。
販売は続けたいけど、時間や距離がネックになって悩む方に、キャリアを分断させないためにも、メッシュウェルで継続することで自信を持っていただければうれしいですね。メッシュウェルを使わなくなった時も、その先にお仕事が続けていけるように。
働き方を変えたことでお子様との時間が取れてすごく嬉しいです、という声もいただいています。お子様が生まれたり、介護が始まったりしたときにも是非使っていただきたいです。
コロナの影響で住む場所を変えている人も増えていますよね。
地方に住んで、東京に来たときにだけメッシュウェルを利用する、なんていうこともしていただきたいです。」
インタビューを終えて
メッシュウェルでは実際にマッチングして働いたタレントの方々と、ストアの方は、仕事終了後にお互いを評価するシステムを導入しているそうです。
ストアの評価がサイト上で見れるので、双方がマッチングの参考にすることができます。
また、驚くべき点は、働く側のタレントが、自分の時給は自分で決めることができる、ということ。
平均で2000~3000円の時給を設定されている方が多いそうで、自分の接客スキルの価値提供をしっかり評価してもらえる制度になっています。
働くことが楽しく、働き方を自分で選べることで、子育てママの「はたらく」が「ひろがる」イメージが描けて、とてもうれしくなるおふたりのインタビューでした。
ぜひ、メッシュウェルを見てみてください。
メッシュウェルの働き方がリアルに分かるこちらの素敵な動画もぜひ見てください。
働く時間やお店を自分で選べるようになると、子育てとの両立もぐっとしやすくなりますよね。このサービスや考え方がどんどん広まっていき、販売接客業の働き方がもっと柔軟になっていくことをマナレアも願っています。
例えば「幼稚園や保育園に行っている少しの時間に」とか、「週末に丸一日ママがいないのは負担だけど数時間だけなら」など、様々な状況で活用ができそうです。
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