子どもを望むなら退職しかないのだと思いました。
Kさん
海外ファストファッションブラント販売員を4年
不妊治療に専念する為に退職
その後、不妊治療を経て出産
子ども (3歳)
―販売員としてのこれまでの経歴を教えてください
友人の紹介で2013年にアルバイトとして入職しました。
海外のブランドということもあり、勤務年数に関わらず、やる気や能力で仕事を任される会社だったのでとてもやりがいを感じていました。
自分でもレイアウトなどを勉強して取り組んでいたところ、
入職して1年程たったところで「正社員として働いてみないか」と声がかかり
正社員になりました。
季節やイベント毎にレイアウトを考えるのがとても楽しかったですし、
自分が考案したレイアウトで売り上げが上がった時は本当に嬉しかったです。
繁忙期を除けば有休消化も積極的な会社で長く働きたいと考えていました。
しかし、店舗の多いファッションブランドであり、会社の方針としても社員は2.3年のスパンで転勤をしていく方針だったであったので、入社3年目の結婚を機に、転勤のないアルバイト雇用に戻ることにしました。
結婚生活を充実させていきたいという思いもあり、納得してのアルバイト雇用でした。
また、アルバイト雇用になってもレイアウト等を任せてもらえることも魅力でした。勤務時間に関しては正社員とほぼ同じ勤務時間で働きました。
―将来、出産し子育てをしながら働く場合、両立しやすい職場でしたか
ベビー服や子ども服も展開しているブランドだったので、
子育ての経験が生かせるということもあり、ママさんも多い職場でした。
正社員は転勤が多いので、多くはアルバイト雇用で働いていました。
大型ショッピングモール内の店舗も多いので、イベント時は朝7時前から仕事をすることもあり、時間的にはかなり厳しい職場だったと思います。
さらに、店舗によっては
子どもの熱は親の健康管理不足だから欠勤は認めない
と言う上司もいたので、その店舗には行きたくないと思っていました。
両立がしやすい環境とは言えないけれどみなさん頑張って働いていた、という印象です。
-退職を考えた理由はなんですか?
結婚してから、子どもが授かる事ができればいいな、という気持ちがあり、婦人科に通っていました。
しかし、なかなか妊娠することができず、2017年の1月に婦人科の医師から自然妊娠は厳しい状況なので不妊治療を考えるように言われました。
その後、なんとか仕事の合間に婦人科に通っていましたが、人工授精にステップアップするタイミングでアルバイト雇用であっても勤務を継続することが厳しい状況となりました。
-勤務しながら不妊治療を行うことは難しいことでしたか?
自分の休みの日に婦人科に行く程度の受診頻度であれば可能でしたが、
人工授精になると排卵に合わせて急遽休みを調整しなくてはいけません。
私は排卵の日が定まらず、何度も受診で卵胞を確認する必要がありました。
さらに、卵胞の確認は受診時間が朝8時頃の指定だったのでオープン前の忙しい時間と重なってしまい時間休では対応できず欠勤するしかありませんでした。
私の勤めていたアパレルブランドでは季節ごとのレイアウトのチェンジやイベントが1ヶ月以上先まで決まっていましたので、排卵に合わせて休みを取る事ができませんでした。
さらに私は元々社員で働いた経験があったので、アルバイト雇用に変更した後もブースを任されており、レイアウトを考えスタッフに指示をだす立場だったので、責任感から「休みたい」という思いを上司に伝えることもできませんでした。
やりがいを感じている仕事だったことや、不妊治療はお金もかかるので出来れば続けたいという気持ちもありとても悩みましたが、続けるのは難しいという判断になりました。
-不妊治療に対し、会社は理解してくれましたか?
妊娠しているならまだしも、いつ妊娠できるか分からないのが不妊治療です。
以前、切迫早産で休職したスタッフが上司に
「繁忙期だから仕事にでてくれないか」
と言われているのを見て
妊娠も理解されないのに不妊治療なんて理解してもらえないと思いました。
さらに若い子が多い職場で、授かり婚も多く、
子どもを授かることが当たり前という社の雰囲気も感じていたため、
不妊治療を受ける事を上司に伝える事ができませんでした。
そのこともあって
子どもを望むなら退職しかないのだと思いました。
2017年の5月に不妊治療に専念するために退職しました。
-将来について、働くスタイルに希望はありますか?
現在、人工授精による妊娠、出産を経て、3歳になる子どもの子育てをしています。
いつかはアパレルの仕事や他のアルバイトでもいいので週に5日しっかり働きたいと思っていました。
収入もある程度得たいという気持ちがあります。
しかし、子どもがいると通勤時間がかかる勤務場所には通うことは難しかったり事ができなかったり
急なお休みも会社に迷惑をかけてしまうことから
手に職を付けて独立したいと考えるようになりました。
以前マッサージ店で勤務した経験があるので
マッサージを勉強していきたいという気持ちがあります。
個人で訪問して施術をするというスタイルができたらいいな、と思っています。
アパレルの仕事に関しては、家族のことを考えると今は将来の生活スタイルにアパレルの仕事を考えることはできていないけれど、経験してよかったと思っています。
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