店長やお客様に「妊娠」が気づかれると煩わしいと思って隠していました。

Wさん

青果店の販売員

第一子出産を機に休職~第二子出産を機に退職

長男(6歳・小1)、次男(4歳・年少)

 


―販売員に至るまでの経歴を教えて下さい


元々食に興味があったこともあって、大学卒業後に食品メーカーを転々としていました。商品企画、マーケティング、広告宣伝を経て、最終的に菓子メーカーに広報として入社しました。希望の仕事だったのでとても充実していましたが、結婚を機に夫の地元である九州に生活の場を移すことになり、その会社を退職せざるを得ませんでした。仕方がないことですが、残念でしたね。


仕事はずっと続けようと思い、新天地でも広報やマーケティング関連の仕事を探しましたが、大都市圏とは異なり会社も少なくなかなか見つかりませんでした。


見知らぬ土地での生活で、自転車をよく利用したんですけど、その際に、食に興味があるからか、自然と目に映るのはたくさんの青果店で、すごく興味が湧きました。それで働いてみたいなと思い、気になっていた青果店に販売のパートとして働くことになりました。


そのお店は、店長と私の2人だけで、その分お客様との距離が近いし、常連のお客様も多く、接客のお仕事に面白さややりがいを感じていましたね。


そんな中、1年ほど経ったときに、妊娠がわかりました。



―どのような職場環境でしたか?


ほぼ終日の立ち仕事で、勤務は月曜から土曜まで。週休1日でした。急なお休みには変わってもらえるスタッフがいないことなどから、出産後に復帰するのは難しいなぁと感じていました。


また、店長やお客様に「妊娠」が気づかれると、「気づかなくてごめんね」「立ち仕事なのにね」と気を遣われることが煩わしいと思ったので、初期のころは、気が付かれないように隠していました。


でも、妊娠で体調が悪くなると、「同じ時間帯にパートさん増やしてくれないかな」「レジ打ちじゃなくて裏方にして欲しいな」と思っていました。勝手ですよね(笑) 


結局、妊娠のトラブルを機に、店長に打ち明けたら、2人のパートを新しく採用してくれました。でも、どうしても忙しいピークは接客をしなければいけなかったり、産休を取るまでお客様には伝えていなかったので、重い荷物を一緒に運んだりして、多少無理をして働かざるをえませんでした。


その後、産休に入りました。



―その後転職しようと思ったのですか? 転職に向けてどんなことをしましたか?


長男が1歳になった頃に、今後の働き方についていろいろ悩みました。二人目も欲しいけれどもこればっかりは何とも言えないし……。いずれにせよ今の仕事で、育児と仕事の両立は難しいと思っていたので、働き方を変えなければならないと考えていました。


育休中にクラウドソーシングに登録してライティングをしたり、自治体が行っているいくつかの女性就職セミナーに参加してみたり、公共の職業紹介を受けたり、育児の合間にできることから動き出してみました。


ライティングは広報の仕事で必要な書くスピードを落とさない為にもやってみましたが、クリエイティブな仕事というよりは、文字数と時間で納期までに仕上げるという感じで私には向きませんでした。


就職セミナーや公共の職業紹介も、私が考えているものとはかなりギャップがありました。見た目も年齢も仕事への志もバラバラで、色んな方が一緒くたにまとめられている感じがして、自分と同じような意識を持った方は見受けられませんでした。


何だか、自分はこの場にいて良いのだろうかという、漠然とした不安がありました。


そんな中、第二子を妊娠しました。でも、このままではいけないという焦りと、誰かから必要とされたいという気持ち、自分の志と合った仕事をしたいという想いは強くあり、次男の妊娠期間中も転職する為の準備は続けていました。


そこで、女性のキャリアサポートをしている会社に出会いました。その後、第二子に聴覚障がいが見つかり、一定期間療育に専念する必要があることから2018年に青果店を退職しました。



―将来について、理想の「はたらく」スタイルはありますか


第二子妊娠時にあれこれ活動したからこそ、今の会社にご縁があり、広報の仕事をしています。


「できない」ことよりも、「できる」ことを考えて、悩むより、何か一歩踏み出してみることが大切だと思います。


ライフステージの変化や家族の諸々の事情により、どうしてもキャリアを変化させていかなければならない場面が出てくると思います。これからも子どもの成長に応じて働き方を変化させながらも、自分らしく働いていきたいなと考えています。

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子どもを育てることは、人それぞれ、あまりにも状況が異なるのに、働く選択肢が多様でないために、女性だけが、生活の変化に合わせて、それまでの仕事を見直すことと向き合わなければならないのが現状ではないでしょうか?



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