出産や育児で女性が離職するのは企業側のフォロー体制が足りないからじゃない?

「育休復帰しやすい会社」が実践するユニークな取り組み



毎週1回、スタッフブログで「はたらく」を「ひろげる」につながるニュースや時事問題を紹介していきたいと思います。

今回は、キリンホールディングス株式会社が、子育て中のパパ・ママの働き方に対する理解を深めるために、ユニークな社内研修を実施している記事がありましたので取り上げてみたいと思います。

その名も「なりキリンママ・パパ」プログラム。


育児経験のない社員が1カ月間、子育て中の社員の働き方を体験するというものです。


このプログラムでは以下のような架空の設定を設け、子育てをしながら働くにはどんな大変さがあるのか実感してもらいます。


・子どもの年齢は2歳前後

・パートナー(配偶者など)とは同居

・実家のサポートは原則なし

・フルタイム勤務


この設定に加え、8つのルールがあります。このルールが、リアルですごい!そこまでやるの?という感じです。


① 1日の所定勤務時間である7.5時間を徹底し、残業はNG。(保育園の送迎をするという設定)


② 在宅勤務やフレックスタイムなどの人事制度を活用すること。


③ 週1回に限り、残業や得意先との会食はOK。(週に1回は配偶者の協力が得られるという設定)


④ 保育園から呼び出しの電話がきたらすぐに帰宅、または翌日お休みすること。(唐突に「保育園からの呼び出し」の電話がかかってくるという設定)


この電話を受けたら、上司や同僚に業務を引き継ぐなどの調整をして、すぐに帰宅すること。場合によっては翌日1日休まなければならないとケースもあり。


⑤ 残業可能な日以外で、突発的に残業するなら「ベビーシッター料金」を支払う想定で勤務すること。


⑥ 研修開始時に、ママ(パパ)になっているということを宣言すること。(上司や関係者、任意で得意先にも宣言。自分の座席に「○~○日の期間、ママになります」という掲示をしたり、メールの署名に「なりキリン中」と書いたりする)


⑦ 「なりキリンレポート・日記」を書くこと。


⑧ 期間は1ヵ月。1ヵ月というスパンで経験することで、よりリアルな体験をすることができる。


なかなかユニークな研修プログラムですよね。



これぐらいリアルな設定で1ヵ月間仕事をすれば、”子育てしながら働くこと”について、会社で過ごす時間への理解はある程度進むかもしれませんね。


とくに男性社員の育休取得率を上げるように法改正がされるのであれば、尚更、育休明けの子育てにも理解がないと、定着はしないでしょうから、このような、育休明けの立場を体験するという研修は、すごくいいなぁと思ってしまいます。


ただ実際に研修するとなったら、業務にも支障がでるでしょうし、一緒に働くメンバーにも負荷がかかる研修ですので、現場の反発は容易に想像がつきます。よほどトップのやるんだという意識と、人事の尽力がないとできない研修ではないかと思います。


そこまでして、ジェンダーギャップを埋める取り組みをしている「キリンホールディングス株式会社」はすごいなぁと思ってしまいました。


(少し、ママの目線で言わせてもらえれば、実際は帰宅後に本当に子どもの世話をしたり、保育園から発熱等でお迎えの連絡があった場合は病院に行ったり、体調・機嫌が悪い子どもを看病したり、家でも大変なことがまだまだ続く訳ですが・・・。)


一点、私の中で不安に感じたのは、この研修の結果、子どものいない社員の方々が、逆に子どもがいることが仕事をする上でネガティブな要素として捉えてしまうんじゃないかということ。


たしかに大変なことは多いですが、やっぱり子育てをしていて、子どもはとてもかわいいし、エネルギーをもらうことも多いので、その点もちゃんと伝わるとさらにいいなぁと感じました。


また、子育てに関わらず、介護や、その他の家庭の事情など、いろいろな事情を抱えながら働いている人がいますよね。


こういった研修プログラムを発端に、様々な立場にいるであろう社員同士が「仕事とプライベートのバランスをどうとっていくか」コミュニケーションの機会をもてるといいのかなぁと思いました。



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