アパレルで17年間勤めたキャリアを『結婚・出産』で手放さなければならないのが悔しかった。

Yさん

コンサバ系アパレルブランドの店舗責任者、エリアマネージャーを経験

第1子妊娠を機に退職

子ども(5歳)

―販売員としてのこれまでの経歴を教えてください 


短大卒業後に国内レディースブランドに正社員として入社しました。当時は赤文字系のコンサバ系レディースブランドが社会現象になる程ブームでした。


自分もそのブランドのファンで、何よりお客様とお話する事が好きだったので入社を決めました。


25歳で店長に、30歳の時にエリアマネージャーとして責任ある立場で仕事を任されたのでとても毎日充実していました。


17年も勤務していたのでブランド自体も大好きでしたし、顧客様も抱えていたので自分の接客目当てに来店してくださるのが日々のモチベーションになっていました。



―お仕事と子育てが両立しやすい環境でしたか?


 35歳の時に結婚・第1子の妊娠を機に退職しましたが、正直、仕事と育児の両立はかなり難しい環境だったと思います。


まず会社自体が若い人が多かったです。大体18歳~30歳で、会社全体の男女の比率は1:9で圧倒的女性の職場でしたが、女性の既婚者は数名程度でかなり少なかったです。


販売員は特に拘束時間が長く、早番と遅番に分かれていて責任者は必ず遅番出勤という社内ルールがありました。


テナントの営業時間によって勤務時間は違いますが、遅番だと12時出勤の22時が定時でした。お客様ファーストの仕事なので定時に帰ることはほとんど無かったです。いつも退勤時間は23時を超えていました。


残業代は支給されず、22時で強制的にタイムカードを押してそのあとに働いていたので、今思えばかなりブラックだったと思います。


退職の1番の決め手は、この帰宅時間と拘束時間が長いことです。家族との時間が中々取れなかったですし、主人が土日休みだったので休みも合いませんでした。


店舗の販売員は独身者がほとんどで『結婚=退職』というイメージを皆が持っていました。実際社内では結婚を機に退職する人が9割でした。


本社スタッフは違ったかもしれませんが、店舗販売員は独身か育児をしていない既婚者しか必要ない、結婚や出産は「悪い」という風潮だったので…。

本社のルールよりも、店舗のルールや人間関係が”絶対”的な職場でした。


既婚者で育児をしていている人はかなり居づらい環境だったと思います。


急な欠勤や早退、年末年始、土日にお休みを貰うことが難しかったですし、時短勤務や産休制度を取る前例がなかったので。


私自身、退職前に悪阻で欠勤する事がありましたが、あまり良く思われていませんでした。



―退職を決め、その後なにかご自身の中で変化はありましたか?


もちろんアパレルの仕事は大好きですし、人生の大半を過ごしてきたブランドを去る事はとても悲しかったです。


何より17年間勤めた会社でキャリアを積み重ねても、『結婚・出産』ですべて手放さなければならなかったのが悔しかったです。


産休を取って時短勤務で今まで通り店長やマネージャーとして復職出来るのが理想でしたが、個人の裁量が大きい職場でしたし、既婚者や子育てをする女性への理解やロールモデルがなかったのがとても残念でした。


退職を機に自由な時間か増えたので、今は家族とかけがえのない時間を過ごしたいです。



―将来について、理想の「はたらく」スタイルはありますか?


家庭に入って家族のサポートをするのはとても素敵な事ですが、私自身社会との繋がりを断ちたくないと思っています。


母として妻としてではなく個人として接してくれる場所が自分にとってはとても大切だと思っています。


アパレルの仕事がもう一度できたら嬉しいですが、拘束時間も長い職種ですし、アパレル業界自体が出産や子育てをしながら働くのはそもそも厳しいのかなと思います。


これからは違う業界も視野に入れて、家族との時間が取れ、育児に理解のある環境を探していきたいと思います。


 


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子どもを育てることは、人それぞれ、あまりにも状況が異なるのに、働く選択肢が多様でないために、女性だけが、生活の変化に合わせて、それまでの仕事を見直すことと向き合わなければならないのが現状ではないでしょうか?



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