16時には帰れるオーガニックコスメの販売職があればいいのにな。
Sさん
コスメセレクトショップ販売員
販売員歴5年で退職
子ども(0歳4か月)
―販売員としてのこれまでの経歴を教えてください
オーガニックコスメのセレクトショップがオープニングスタッフを募集していて、ずっと興味があったショップだったので迷わず応募して、販売員になりました。
オーガニックコスメの「科学的ではない、自然な香りが好き」というのが最初のきっかけだったんですが、お客様に商品をご提案する際には、使い心地だけでなく使用されている成分の効能などの理解の深さが必要でした。
覚えることは多かったんですが「面白い!」という気持ちが大きかったです。
セレクトショップの取り扱いは、コスメだけでなく、ハーブティーなど幅広く、商品の知識を得ていく中で「植物療法」という言葉に出会って、「お薬」ではなく肌や身体を整えていく方法があることを知り、オーガニックやアロマの世界にどんどん興味が湧きました。
アロマのことをもっと知りたいという気持ちから、民間のスクールに通ってアロマセラピストの資格も取得したんです。
学んだ知識を活かして接客することによって、お客様が肌や身体にちょっとした不調がある時に相談に来て下さるようになって、お客様の身体の内側と外側からのアプローチを一緒に考えるコンシェルジュのような存在としてお仕事ができて、「相談してよかった」って言ってもらえることが何より嬉しかったですね。
―お仕事と子育てが両立しやすい環境でしたか?
ただその会社では、子育てに対する制度が整っていなかったため、子どもが産まれてもフルタイムの選択肢しかありませんでした。
店舗に2人子育て中のスタッフがいましたが、時短の勤務ができなかったので大変そうでした・・・。
私も子どもが産まれたら子どもは保育園に入れてフルタイムで働こうかなって思っていましたが、本当は時短勤務ができたらいいのになって思っていました。
大好きなお仕事だったのですが、そう感じていたタイミングで夫の転勤があり、妊娠も分かったので5年勤めたそのオーガニックコスメのセレクトショップを退職しました。
―今後お仕事に復帰するとしたら、心配事はありますか?
子どもの夜泣きがあったりして寝不足のまま働くことになったら自分の体力は持つのかな…とか、子どもの発熱などで仕事中いつ呼ばれるかの不安だな…とか。
家のこととお仕事と、時間のやりくりがうまく出来るかな…と思うところはたくさんあります。
―将来について、理想の「はたらく」スタイルはありますか?
土日休みには憧れますね。パソコンとかは苦手なんですが、もしパソコンとかが出来たら「事務の仕事」とかの選択肢もあるのかな、とは感じています。
今それを「学ぶ」となったら腰は重いけど、おばさんになって接客は難しいかなと考えると、 今の時代、パソコンだったり、ネットが使えないといけないのかな・・「学ばなきゃいけない時」が来るんだろうなとは思います。
ただ、接客しかしたことがないし、何よりお客様と直接対話することが好きなので、今のところは、また接客販売の仕事をしたいなって思います。
理想は、またコスメの販売のお仕事がしたいです。
平日の午前中に出勤して15時か16時には帰れるような時間帯で働けたらいいなと思います。お家のことをやりつつ、お仕事をバランスよく出来たらいいですね。
そんな働く選択肢があれば、せっかく培ってきたオーガニックコスメの知識や経験をあきらめなくてもいいのになと思ってしまいます。
取材のあとがき
平日16時で退社できる販売職なんて、何を夢物語をと思うかもしれません。しかし、現実には、以下のような実験を始めた企業もあります。
アダストリアと新静岡セノバが営業時間フレックス制を開始 採用難が続く販売員の“働き方改革”に | WWDJAPAN
あの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」や「ニコアンド(NIKO AND…)」を展開するアダストリアと新静岡セノバ(商業施設)が協力して「ささえあう 働く時間プロジェクト」がスタートしています。
このプロジェクトの主な柱は
(1)営業時間のフレックスタイム制度
(2)年5日のパワーチャージ休暇制度
(3)館内一部での営業時間短縮の試験運用を開始
事務職などのフレックス制と比べると、まだまだ固定的ですが、それでも店舗に務める方のシフト自由度は随分と増すことが考えられます。
「はたらく」を「ひろげる」ことで、あきらめることがない世界をつくりたいですよね。ぜひ成功して全国のSC(ショッピングセンター)に広がってほしいです。
次回は、国内高級ミセスブランドの販売員を経験した後、国内ミセスカジュアルブランドの生産管理に転職。その後、医療事務にキャリアチェンジをした方のリアルインタビューをお届けします。
みなさんのご感想、ご意見をぜひお聞かせください。
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