転職活動で武器があるじゃんと気付きました。

Kさん  

海外カジュアルブランド販売員

16年勤めたブランドを退職

子ども(7歳・4歳)


―販売員としてのこれまでの経歴を教えてください


服飾の専門学校を卒業後、海外ブランドの会社にアルバイトとして入社しました。


最初は都内フラッグシップ店に配属されて、会社の制度で定められている目標の売上を達成したことで、アルバイトから社員になれました。


5年間、販売員としての経験を積み、フラッグシップ店の副店長になってからは、販売だけでなくスタッフが活躍できるように、教育制度やルールづくりを大切にしていました。


まだまだ成長過程のブランドだったので、ぜんぜん社内の体制が追い付いていなかったため、フラッグシップ店で起こった課題を整理して、運用に乗せていくことをやっていました。


入社から8年勤めた頃、都心に新たにフラッグシップ店ができることになり異動になったんですが、そのタイミングで上の子を妊娠して、産休・育休を取りました。

復職時は時短勤務(10時から17時)で販売員として勤務しました。


2年後に、下の子を妊娠して二度目の産休・育休を取り、育休明けは家の近くの大型ショッピングモールの店舗に配属してもらい、時短勤務(9時半から16時半)でお仕事を続けました。


店舗や働く時間は変わっても、19歳の頃からずっと同じブランド一筋で仕事が好きだったので、退職する気は全くなく、ずっと勤めるつもりだったんです。


ですが・・・。

上の子が小学校に入学したタイミングで、会社の子育てのための時短勤務の方針が変わってしまって、どうしても継続できず、16年間勤めたブランドを退職しました。



―時短勤務の方針はどう変わったのですか?


変わる前は、子育てに対する会社の制度や環境は比較的整っていたほうだと感じていました。本社で「ママが活躍できるために」という研修もたくさんあったんです。


でも、ママが働きやすいということで時短勤務の人が店舗にたくさん増えてしまい、お店の運営が大変になってしまったことで、子育て制度に見直しが入りました。


それまでは、土日祝日のお休みに関して決まりはなかったのですが、 


『1か月間の土日祝日の出勤率を6割以上にしなければならない』となってしまったんです。


これは、子どものいる人はやめてほしいというメッセージだなと思いました。



―転職しようと思った時、どんなことをしましたか?


育児に必要な時間が確保できる「土日休み、~17時まで」の仕事って何だろうと考えて『事務職』にたどり着いて、転職サイトに登録しました。


そこで転職エージェントに

「君の経歴だと、君のやりたい仕事(事務職)はないかも」と言われてしまい、愕然としました。

「未経験の壁」を感じましたね・・・。


その時、転職エージェントから提案されたのが、「派遣社員として事務の経験を積んで、もう一度エージェントに登録する方法」と、「社員になる前提で会社に入る『紹介予定派遣』という方法」でした。



―派遣社員として、希望する事務職に就くことができましたか?


転職エージェントの提案を聞いて、なるほど、そっちの線で行くしかないと思って派遣社員への登録をして、面接もしました。


でも、ここでまたつまづいたんです。派遣っていろいろあるとは思うんですけど、私が登録したところは「2週間後から働ける人」など、すぐに働けないと、働かせてもらえなくって。


その時まだ販売員として働いていたので、早くても退職できるのは1か月後で・・・1か月待ってくれるところはありませんでした。

自分には何もない・・・ここまで社会に必要とされないんだ・・・ということが本当にショックでしたね。


その時に「社会で通用する武器を身につけなければいけない」と思いました。



―「社会で通用する武器」を身につけるためにどんなことをしましたか?


「勉強だ!」と思って店舗に向かう通勤時間に簿記の本を読んだり、YouTubeを観たりしてみました。だけど実務がないと頭に入らないんですよね。


これは、仕事を辞めないことには次は見つからないんじゃないかって思って、いっそ仕事を辞めて有給消化中に見つけてやろうっと思って退職を決めました。そこからは、転職エージェントに頼らず、自分で求人募集を探して転職活動しました。


ある会社で、面接までいって、面接官から職務経歴書を細かく根ほり葉ほり聞かれて、

最後に、「君の仕事へのこだわりや、やってきたことを聞いていると、販売より人事に向いているかもね」と言われてびっくりしました。


確かに新人の教育担当をしたり、仕事の相談にのったりして成長していく姿を見るのはとてもうれしかったし、そのために制度を整えたり、店長と掛け合って新しいルールをつくったりするのは、やりがいだったなぁと思って。 そうか、「人事か」と、すごくしっくりきて、自分の中に武器、あったじゃんと思えて。


そうしたら、後日、その会社から本採用ではないけど、半年間の期限付きで、パートとして人事の仕事をしてみる?と誘ってもらえたのです。それで、半年後に契約更新をするかどうか判断しますと。

正社員ではないけれど、経験を積まないことには始まらないでこのチャンスに賭けました。


今は、まったく右も左もわからない中で、タイムカードの集計や、パート契約の更新など、書類やエクセルと格闘しています。

毎日が勉強ですね。


―将来について、理想の「はたらく」スタイルはありますか?


子育てに必要な時間を確保しながら、社会で通用する武器をゼロから身に着けられるところで働けたらいいなと虫のいいことを考えていましたが、武器になりえるものは持っていただんだと思います。


16年間の仕事で培ったものは、何かしらあると思うので、この半年で、人事の知識と経験をつんで、本当に人事として通用するか、後半の人生を賭けてみたいと思っています。


そして、子供が大きくなるまで、長く仕事ができることが理想ですかね。



次回は、「好き」を仕事にして5年間ランジェリーブランドの契約社員として販売員をしていたけど、出産・育児を機に離職した方のリアルインタビューをお届けします。

みなさんのご感想、ご意見をぜひお聞かせください。

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子どもを育てることは、人それぞれ、あまりにも状況が異なるのに、働く選択肢が多様でないために、女性だけが、生活の変化に合わせて、それまでの仕事を見直すことと向き合わなければならないのが現状ではないでしょうか?



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