ママたちが運営する地元愛溢れるカフェ「ウチルカ」
カフェ「ウチルカ」は、横浜市青葉区の青葉台駅から車で10分ほどのところにあります。
運営するのは、なんと地元のママたち。店長の阿部さん、スタッフの髙橋さんにオンラインでお話を伺いました。
ウチルカ( Instagram / ネットショップ -2021年4月末オープン予定- )
店長 阿部 久美子さん
スタッフ 髙橋 志保さん
お店の原動力はママたちの“熱い思い”
「ウチルカ」の運営会社は、地元で50年続くガソリンスタンドを営む金子石油店。ママたちの持つパワーを応援したいという、オーナーの思いからママたちが運営するお店がはじまったのは、2011年のこと。
2児のママでもある店長の阿部さんは、第2子が0歳だった9年前からパートスタッフとして働き始め、キッチンリーダーを経て3年前から店長に。現在は、阿部さん含むスタッフ8名でお店を運営しています。なんとそのうち7名がママだと言います。
「初めは、「フラメシ」と言う名前でハワイアン料理を提供していました。 お店が出来てから今年で10年、「ウチルカ」にリニューアルして5年になります。
飲食店で働くのは、初めてというスタッフが多かったのですが、ママとして家庭で培った調理の感覚も活かされますし、スタッフみんな“もっとお客様に応えたい” “地域を活気づけたい” という熱い思いを持っていて、アイデアが豊富です。
オーナーが、スタッフのアイデアを自由にやらせてくれるので、 新メニューの開発や、地元の他のお店とのコラボレーション企画などを実行してきました。 お店は、飲食事業部のセントラルキッチンとしての役割もしていて、スタッフは仕事を通してできることの幅を広げていきました。」
「ウチルカ」へのリニューアルもスタッフの働きかけで実現したと言います。
「オープンからずっと、ハワイアン料理のカフェとして地元の小さな子ども連れのママたちで賑っていましたが、スタッフみんな、今よりも“もっとお客様に応えたい”と感じていました。ハワイアン料理から、もっとママたちの感覚を活かせる和食中心へ。「ウチルカ」という名前もスタッフみんなで決めて、オーナーにリニューアルを提案しました。」
和食中心に展開する、地元野菜をたっぷり使ったワンプレートランチは大人気。地域のニーズに応えてお弁当の販売も始め、それ以来お客様の層も広がったと言います。さらに2020年には、店舗を改装し、パティシエの作る焼きタルトなどのお菓子の販売も始まりました。
それぞれのママたちの得意を活かせる場所
「ウチルカ」のママたちは、常に“もっとできること”を探し続けています。
それが形となったものの一つが「自家製ドレッシング」。 お店の営業と並行しながらそれぞれの得意な分野で分担し、商品の中身、パッケージデザインや、容器選びなど、自分たちの手で1年ほどかけて完成したと言います。
地元野菜がふんだんに使われた5種類のドレッシングは贈答用でも人気で、なんと2020年に横浜市のふるさと納税の返礼品に選ばれました。
それぞれの持つ得意を合わせて、「ウチルカ」のママたちは新しいことに挑戦し続けています。
同じママとして働くママが抱える葛藤や大変さを知っている店長の阿部さんは、こう言います。
「ママが仕事をするには、まだまだ大変なことが多く、一筋縄ではいきません。
限られた時間の中でいかに効率よく仕事時間を過ごすかは、ママだからこそできる技なのかなと思います。そのバイタリティとアイデアを活かして「ウチルカ」は成り立っています。
ママの経験値を活かしながら社会と繋がる自立した女性はとてもカッコいいなと、私は思います。 スタッフが無理をせずそれぞれの力を活かして働いてくれたら幸せですね。」
子どもを愛する気持ちと同じくらい、自分の人生も大切にしてほしい
スタッフの髙橋さんは、高校1年生と高校3年生のママ。
事務職として働いていましたが“接客業が好き”という気持ちからその企業を退職し、飲食のお仕事にキャリアチェンジ。3年前から「ウチルカ」でホール業務とキッチン業務をしています。
「ママたちが働くウチルカでは、突然のお休みも付き物なので全員が全てのポジションをまんべんなく経験し、スタッフの突然のお休みにみんなで対応できるようにしています。
「困った時はお互い様だよ」という気持ちをみんなが持っているのでとても働きやすいです。」
髙橋さんは得意な“文章を書くこと”を活かしSNSの発信も担当。 「ウチルカ」のおいしさを届けたいという気持ちが、髙橋さんのあたたかい文章から伝わります。
自分の“好き”と“得意”を活かして働く髙橋さんに育児をしながらも仕事復帰をしたいママに一言いただきました。
「育児をしながらお仕事をするのは簡単なことではないと思います。でも、そのチャレンジをしようと思っただけでも花丸だし、一緒に頑張ろうね!と言いたいです。どんなに手を抜いても、ため息ばかりの日があっても大丈夫。子どもを愛する気持ちと同じくらい自分の人生も大切にしてください。ママ、えらいよ!! 」
もっと多くの人にママたちの作る美味しさを届けるため、4月末頃にネットショップをオープンする予定。「ウチルカ」の進化はまだまだ続きます。
文:川﨑 茜
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