自分のスキルを活かしてママを応援したい! ママの味方になる幼稚園・保育園グッズブランド“nicori”を立ち上げました。
ママの味方になる幼稚園・保育園グッズを販売するネットショップ “nicori” を横浜市青葉区で運営する高橋彩子さん。アパレル小物デザイナー、ジュエリーブランドディレクターを経て、自身のブランドを立ち上げ、独立起業という「はたらく」を手に入るまでの経緯を伺ってきました。
nicori 高橋 彩子さん
デザイナーに憧れていた子ども時代
子どもの頃から「将来は物をデザインする人になる!」と決めていたという高橋さん。
祖母、母が特技の洋裁でリカちゃん人形の服を作ってくれる姿を見て、興味を持ったのがキッカケだと言います。
大学ではファッションを専攻、卒業後は夢の実現に向けてアパレル会社にデザイナーとして就職をしました。
「小物デザインを担当していましたが、自分の思い描いていた仕事のしかたとはまるで違っていましたね。
取引先の提案を元に素材や色を少し変更するだけ。
デザインをするというよりノルマをこなすような感覚で、自分が将来どうなりたいのか考える余裕もない日々でした。」
疲弊しきった高橋さんは3年間の勤務の後、退職。
「日々の忙しさですっかり心が弱っていました。
一度すべてをリセットしたいとの想いで、ハワイに3か月間滞在し、キャリアを見つめなおすことにしました。」
ブランディングの大切さを学んだジュエリーブランドでの日々
その後、小さなジュエリーブランドに転職します。
「もとはOEMをしていた会社で、ネットショップでのジュエリー販売ために新たに作った別会社でした。
ファッションは流行が早いことを前職で実感していたので、世代を越えて長く使えるジュエリーに関わる仕事がしたいと考えていたんです。
四代目の社長ともう一人、そして私とメンバーが3名しかいなかったので、とにかく何でもやりました。
ネットショップ運営に関わる撮影やコピーライティング、そして在庫管理に検品、イベント開催もしましたね。
次第に会社が大きなっていき、私はディレクションをする立場になり、ブランディングを考える大プロジェクトを経験。
ブランドの軸があると全てのことがどんどん決まるし、悩んだときに立ち戻るところがある強さを実感しました。
企業理念やブランディングの重要性を理解しましたね。」
自分のスキルを活かして、頑張るママを応援したい
出産後、自分の子育ての経験から、毎日頑張っているママに向けて何か作りたいという想いが芽生えます。
「昔から、いつか自分のブランドを作りたいと考えていました。
子どもが生まれて、お母さんを応援したいという気持ちが強くなって、今までの仕事で得た“デザインやブランディングのスキル×ネットショップ×ママ”で自分にできることをしようと決心しました。」
こうして、多くのことを学んだジュエリーブランドを10年間で退職。
娘が3歳のとき、ママの味方になるキッズアイテムのお店 “nicori” を立ち上げます。
「世の中のお母さんはもうたくさん頑張っています。
だから手を抜くのを申し訳なく感じる必要はないんです。」
“手を抜くことに罪悪感があるお母さんに寄り添えるブランド“にしたい。
こうして、“世の中にママの笑顔を増やすことで、子どもの笑顔を増やす”を理念に、幼稚園・保育園グッズのネット販売をスタートさせます。
細かなサイズ指定や購入後の名前付けが必要な入園グッズ。
そういった細々した作業を“nicori”が引き受けることで、お母さんに少しでも楽になってもらおうと考えたんだそう。
こだわりは高橋さん自身がデザインしているという生地プリント。
「既製品のお子さま向けの生地はキャラクターものやポップなデザインが多く、大人もかわいいと感じる柄は少ないです。
そのため、子どもが好きなお花やドーナッツ、サメのモチーフを使いつつ、大人も欲しくなるようなプリントを意識してデザインしています。」
やりがいのある仕事をしている自分が好きだから頑張れる
お子さんを保育園に預けている日中に働くことが多いという高橋さん。
「9時から4時半まで、時間でいうとフルタイムに近い仕事をしています。
でも、在宅ワークなので間に家事ができて、家庭と仕事の両立はうまく図れていますね。」
製品を作って販売するだけでなく、ファンを増やすためにインスタグラムで”nicori“の世界観を広げる活動も。
今後はブログやママのためのお役立ちコンテンツの運営も予定していて、自分の力だけではできないことを、同じ志を持つ人や企業と共同ですることにチャレンジしたいそう。
「今は多様な働き方がある時代なので、無理のない範囲で仕事をスタートさせるなど、自分に合う方法を見つけられると思います。
誰かの役に立っていることを感じられると自信がつくし、その姿を子どもが見ることはお互いにとっていいことだと考えています。
お母さんがやりがいを感じて働いていれば、きっと子供にもそれが伝わるはず。
もし興味のある仕事があるなら、一歩踏み出してみるのはどうでしょう?」
“やりがいのある仕事をしている自分が好きだから頑張れる”と笑顔で話す高橋さん。
ポジティブなオーラをまとった素敵なママでした。
文:平野優子
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