ママとして、ネイリストとして積み重ねてきた人生の先にあるもの
横浜市都筑区のセンター北駅に隣接する「ヨツバコ」6Fにあるネイルサロン「Nailed it! 」。2人のママでもあるオーナーの田村智恵さんがネイリストの勉強を始めたのは上のお子さんが3歳の頃。子育てをしながらネイリストとしての技術を培い、従業員、店長を経てオーナーとなった田村さんに、「はたらくママ」として「オーナー」としてのお話を伺いました。
Nailed it!(2021年2月リニューアルオープン) オーナー
田村 智恵さん
専業主婦からネイリストに
看護師のお母様と同じ道を目指し、看護学校に入学した田村さん。
在学中に長男を授かり、赤ちゃんがいながら復学することは難しく、専業主婦として子育てをスタート。その後、長女が産まれ2児のママになります。
子育てしていく中で「自宅で、自分の出来る範囲で働きたい」という想いが芽生え、
そこで選んだのが高校生の頃から好きだった「ネイル」でした。
当時3歳と1歳だった子どもたちを預けられる時間でスクールに1年間通い、ネイリストの基礎的な技術を習得。
スクール修了後は、ネイルサロンで週3~4日のパートタイムで働き、オフの日にはレッスンを受け、民間のネイリスト技能検定にも挑戦しました。
「一番大変だったのは家庭との両立ですね。」
ネイルの施術では刃物や化学的な薬品なども使用するので、子どもに危険がないように練習をする部屋を用意し、子どもを預けている間や夜中に練習をしたそうです。
1年ほど働きながらレッスンに通い、実践的な技術を身に付けました。
家族との時間を大切にしながら、ネイリストとしての経験を積み上げていく
その後、田村さんはいくつかのネイルサロンで働きます。
子どもがまだ小学生と未就学児の頃、職場によっては子どもの都合でお休みすることを理解されないこともあったと言います。
「土日にお休みしたいと言うと「土日どっちか出られないんですか?」と言われたり。
運動会の時期に当日と、予備日と、さらに予備日の休み希望を出すと「こんなに休み希望を出すの?」と言われたり。
サボりたくて早く帰るわけじゃないのに、と感じることもありました。」
2人の子どもの成長に合わせて徐々に働く時間を増やしていきながら、田村さんはネイリストの経験を積み上げていきます。
「学んでいくうちにもっとしっかり働いてみたいと思うようになりました。」
そして3年前、
これからオープンさせるネイルサロンを任せられるネイリストを探しているという方から声がかかります。
今まで積み上げてきた経験が自信となり、田村さんは躊躇せずオファーに挑戦。
田村さんがこだわっているのは、“お客様の生活スタイルに合ったネイル”。
主婦としての感覚や、子育ての経験も活かされ、10代から80代の幅広い年齢層のお客様に信頼されています。
「ママが頑張っている姿はやっぱり子どもたちはうれしいと思う」と田村さん。
子育てを通して“子どもたちの個性を尊重することの大切さ”を感じ、それは、お客様の好みや“こうなりたい”というイメージに丁寧に向き合うこと、スタッフの考えを尊重しながら成長を見守ることにも繋がっています。
そんな田村さんが忙しい毎日の中でも大切にしているのは、家族が揃う夕ご飯の時間の会話。
中学生の長女は若い子の流行を聞ける良き相談相手になっています。
「Nailed it!」のオーナーに
店長として3年間を経て、2021年2月に田村さんがオーナーとなり「Nailed it!」がリニューアルオープンします。
働くスタッフは、田村さんの他に2人。
スタッフの1人は、以前勤めていたネイルサロンからずっと一緒に働いてきたこともあり、田村さんにとって従業員というより同志のような存在です。
今後は、オーナーとして、ママでも働きやすい職場の土台作りをしていきたいと考えているそうです。
「とにかくやる気のある人。この仕事が好きな人。子どもがいても大歓迎です。
働きたいけど踏み出せないママもまだまだ多い中、子育てをしながらキャリアを培ってきた田村さんはこう言います。
「短時間しか働けないことを申し訳なく思うことはなくて、子どもが小さいうちは長く働けないのはお互い様。
働きたいという気持ちがあるなら、探せば分かってくれる人は必ずいると思います。
甘えるんじゃなくて、自分が都合をつけてもらった分は、自分ができるタイミングで返していけばいい。
その後の自分の人生を考えて自分の出来る範囲で経験を積んでいくと、いつかもっと広く動けるようになると思う。」
今後、力を入れていきたいことは“経営の勉強”と“SNSの発信”。
オンラインショップの出店や、看護学校での経験も活かして介護施設などへの出張ネイルも構想中です。
挑戦することを恐れず、経験や技術を積み重ねていく田村さん。
「Nailed it!」には、田村さん自身の人生が投影されていくのかもしれません。
リニューアルオープンをお楽しみに!
文:川﨑 茜
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