ママカメラマンにしか撮れない写真で社会貢献を
横浜市都筑区の仲町台駅近くに自身のスタジオを構えるフリーカメラマンのくぼたえみさん。もともとメーカーで経営企画に関わる仕事をしていた会社員でカメラは趣味だったという彼女が、ママカメラマンとして家族写真から企業向け撮影までを行うようになった道のりを伺ってきました。
カメラマン(結グラフ(YUIGURAPH))
くぼた えみさん
睡魔と戦いながらカメラについて学ぶ日々
もともと写真が趣味でカメラ教室に通っていたというくぼたさん。
妊娠を機に高価なカメラを購入し、生まれてくるお子さんの写真を撮ることを楽しみにしていたそうです。
しかし、いざ撮影をはじめてみると失敗の連続。思ったような写真が撮れずに落ち込んだと言います。
「カメラ教室では主に物撮りを習ってたので、対象が動かなかったんです。
でも、子どもは動き回りますよね。
ハイハイしている今このかわいい瞬間を撮りたいのに、仕上がった写真はボケている。
とてもショックで、もっと写真を勉強したいと思いました。」
育児をしながらの学びになるためオンラインレッスンを探しますが、日本には希望のスクールがなく、海外のレッスンを受講。
子どもを寝かしつけた後、睡魔と戦いながらカメラについて徹底的に学ぶ1年間を送ります。
睡眠不足でつらいと感じることはあっても、学びを止めようとは思わなかったそうです。
「ここで止めてしまったら前には進めない。
納得のいく写真を撮ることをモチベーションに頑張りました。
自分の世界を育児一色にせず、カメラを通じて社会と接点を持ちたいという気持ちもありましたね。」
ママである私にしか撮れない写真がある
「出産前の会社員時代は充実していたし、やりがいも感じていた。
ただ、終電で帰宅する毎日で、ママになった後も働き続けるイメージは持てませんでした。」
退職し、出産後しばらくは専業主婦としてママ業を優先していたくぼたさんですが、娘のイヤイヤ期をキッカケにまた働きたいという気持ちが芽生えます。
「育児以外に自己実現する場を持つことで、育児の負担を軽くしたかった。それくらいイヤイヤ期は大変でしたね。」
はじめはカメラマン団体に所属する形で仕事を開始。
そこで得ることも多かったそうですが、もっと自身の感性や世界観を追求して働きたいという想いが強くなっていきます。
「都筑区は自然が豊かで絵になるロケーションがたくさんあります。
生まれ育った街を背景にしたきれいな写真を提供することで、お客様の思い出に貢献したいと思いました。」
しかし、フリー転身後1年間は軌道に乗らず紆余曲折の日々。
自分の価値は何なのかを振り返り、強みを探すためにスキルの棚卸しをします。
「ママカメラマン」それが私だと再確認しました。
ママだから、お子様の写真を残したいお客様の気持ちがよく分かる。
ママだから、お子様の気持ちにも寄り添える。
撮影前、お子様の緊張をほぐすためにしばらく話をして、リラックスした雰囲気を作ること。
今この年齢・月齢にしかできないかわいいポーズや瞬間を切り取ること。
「ママ」である私にしか撮れない写真がある、そのことに気が付きました。
「子ども時代に優しさに包まれていたことを表現するのにぴったりな写真だとお客様におっしゃっていただいた時には、すごく嬉しかったですね。」
写真を通じて地域のみなさんに笑顔を届けたい
育児の時間を優先しつつ、カメラマンとしての理想も追求する生活を送っているくぼたさん。
「娘と一緒に遊んだり、習い事の送迎をしたり、栄養のある食事を用意したり・・・仕事との両立は時間的に大変なこともありますが、自分なりにバランスが取れている状態です。
主人の深い理解があるのも大きな支えですね。
週末の撮影の時には主人が娘と遊んでくれていて、私の写真が素敵だからたくさんの人にその価値を提供した方がいいと毎日応援の言葉をくれます。」
ご自身があたたかい家庭を築いていることも、優しい写真を撮れる秘訣のひとつなのかもしれませんね。
今後はママカメラマンとして素敵な家族写真を撮ることはもちろん、ママ向けにお子様を上手に撮影するためのレッスンや、特に子ども用品を扱う地域企業へのカメラ講座など、カメラを通じて地域貢献をしてきたいと話します。
「写真を通じて都筑区のみなさんを笑顔にする、それが私のカメラマンとしての目標です。 」
文:平野優子
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